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すごい雑談

人生はアートだ

きんいろの村

ーきんいろの村ー

 

 

また死んだ。

 

これで今月5人目だ。男衆は狩りに出る。

 

食って行いくために、生きていくために狩りに出る。

 

しかし、時によっては獣に返り討ちにあって死んでしまうのだ。今回も身体の弱いものが犠牲になった。

 

その男の家族は彼の亡骸の横でうずくまって泣いていた。

 

他に手段は何かないのだろうか。私は狩り以外の何かを模索しながらも日々狩りに出ていた。

 

そんなある日、外の国から来たという人物に出逢った。周りの人間は彼のことを信用せず距離をとっていたが私は外の国に興味があったので積極的に彼と会話をした。彼は私に「米」という食べ物がものがあり、稲作というものがあるのだということを教えてくれた。

 

私はこれだ!と思い、次の日から狩りに行く事を辞める代わりに、土を耕しはじめた。

 

すると「お前は何をやってるのだ。サボってないで早く狩りに行け。皆もやってるのだからお前も行け」などと罵られた。

「これは稲作というもので、米というものを作っている。これができれば危険な狩りに必ずしも行かなくても良くなる。そうすれば身体が弱く狩りに向いていない者は稲作をやればいいのだ」と説いても、「そんなのできるわけがないだろう。そんなものはただの理想だ。そんなことより現実をみて狩りに行け。」と逆にそう諭されるだけだった。

 

そんなやりとりを続けるなかで、言葉で説得することは諦めて実物の米を見せるしかないのだと思うようになった。その日々が続くなかでも、また1人また1人と狩り中に命を落としてしまう。

 

土が耕し終わり遂に種まきを行った。ここまででも相当に長かった。その頃には、周りは、私を説得することを諦めて、ただのキチガイだと認識するようになった。

 

しばらくすると、自分でも驚いたが、蒔いた種から芽がでたのだ!

 

 

しかしその喜びもつかぬ間それはまもなくして枯れてしまった。

 

それを見た村人は、「ほら見ろやっぱり無理だったじゃないか。これでわかったろ早く狩りに来い」と笑うのであった。そして友人もみんな離れていった。

 

しかし、諦めるわけもなく相変わらず狩りにも行かず稲作を続けた。

 

するとある日、村人のひとりが声をかけて来た。

 

「あんたの大ホラに付き合ってやんよ。その嘘が本当になるか嘘のまま終わるか見届けてやる」そう彼は言って鍬で土を耕し始めた。

 

すると次第に手伝ってくれる人が増えていった。

 

 

そして、何年かたった時その村は、黄金の村と呼ばれるようになっていた。

 

狩りが得意な者は狩りに行き、そうではないものは稲作をするようになった。

 

 

 

 

もうその頃には稲作をサボりだという人はいなかった。

 

 

 

 

おわり

 

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