すごい雑談

人生はアートだ

絶望カウンセラーおさむの憂鬱

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※登場人物、物語などはすべて妄想です。

 

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えー、皆さんはじめまして。この物語の主人公のような脇役のような私、「おさむ」は都内某所でカウンセリングルームを構えるカウンセラーである。

結婚はおろか、彼女もおらず基本的に憂鬱な日々を過ごしている。憂鬱の「鬱」の字画数の多いことにすら憂鬱になってくる。そんな私のところにも悩みを抱えた方がたまに訪れるのだ。

そんな噂をしていたら早速来客である。嗚呼、誠に憂鬱だ。

 

 

 

「チャリン」ドアが開くと鈴の音が鳴り、ひとりの男性が入ってきた。髪は整えられてはおらず、まさに今、悩みの渦中にいるという感じの表情をしている。

 

男:予約していないのですが大丈夫でしょうか?

 

おさむ:まぁ、大丈夫ですよ。こちらに腰掛けください。

 

男:どこの精神系のクリニックなども予約待ちでして。

 

おさむ:いやぁ、今の時代はみなさん悩みに悩んでいますよ。(私も例外ではないが)で、どうされましたか?


男:実は、どうやら妻が不倫をしているようで、最近はしょっちゅう誰かと連絡をとっていたり、綺麗におしゃれして出かけるようになったんです。以前はそんなことなかったのに。それで、その事が気になり、仕事にも集中できないし、どこかの知らない男といい事しているのではないかと。それを考えるだけで気分が悪くなったり、怒りがこみ上げてくるんです。

 

おさむ:ほう。

 

男:それに、もし不倫だったら離婚しようと思っていて。。そうなると、親族との関係や子どものことなど考えるといっぱいいっぱいになります。まぁ、僕がこんなに苦しい思いをしているのも彼女は気づいていないでしょうが。

 

おさむ:なるほど、それで奥様には実際に確認してみたのですか?

 

男:いえ、それが怖くて聞けないのです。

 

おさむ:そうですか。では僕の悩みを聞いてもらってもいいですか??

 

男:えっ?(俺の悩みを相談しにきたのに、この人、大丈夫だろうか)あ、はい、どうぞ。

 

おさむ:私、今独身なんですが、というか、生まれてこのかた彼女というのもできたことないのです。つまり彼女いない歴35年ということになります。どうしてできないんでしょうか?

 

男:難しい質問ですね(苦笑)ちなみに過去に好きになったり、告白したりしたことはあるんですか?

 

おさむ:もちろん好きになったことはありますよ!さっちゃんとか、みよちゃんとかかなりタイプでした。でも自ら告白したことはありませんし、もちろん告白されたこともありません。

 

男:(さっちゃんとか、みよちゃん誰だよ、まぁいいや)で、どうして告白しなかったんですか?

 

おさむ:だって怖いじゃないですか。フラれるの。例えもし、万が一、いえ億が一、付き合えたとしましょう、きっとダメダメな私に愛想をつかすに決まってるんです。

 

男:いやいや、そんなの伝えてみないとわからないじゃないですか!気持ちを伝える前に決めつけてしまうのはもったいないですよ。それに、付き合った後もどうなるかなんてわからないんだから先の事を心配したってどうしようもないですよ。

 

おさむ:はあ、頭ではわかっているんですけどね。あああ!!!

 

男:ど、どうしたんですか?

 

おさむ:いや、いたんですよ!ひとりだけ。過去にお付き合いした女性が!ただ3日間だけでした。3日間だけなので僕自身も忘れてしまっていました。

 

男:いったいどうして3日で終わってしまったんですか?

 

おさむ:それが私にもわからないんです。初日のデートもよかったはずなんですが、それから彼女の態度が変わり、3日目にして別れを告げられたのです。

 

男:その理由を彼女に聞かなかったんですか?

 

おさむ:恥ずかしい話なんですが、怖くて聞けませんでした。

 

男:その時勇気を出して聞いていれば別れずに済んだかもしれないですね。

 

おさむ:そんな私は、この先どうしたら彼女ができるでしょうか?

 

男:まず妄想で傷つかないことですね。相手に気持ちを伝えてみないとどうなるかわからない。そしてちゃんと相手と向き合うこと・・・ですね。。

 

 

その瞬間、男の目は一瞬大きく開いた。

私は男の言う通りだと思いながら頭を掻いていると、突然男が席を立ち上がり言った。

 

 

男:ありがとうございました!僕がやるべきことがわかりました!

 

おさむ:え?どういうことですか?まだあなたの話は全然聞いてなくて、私の人生相談を逆にさせてもらっただけですよ?

 

男:いえ、それでよかったんです。さすがカウンセラーですね。では失礼します。

 

「チャリン」という扉の開閉時の鈴の音と、深い一礼を残し、その男は去っていった。

 

その男は来た時より表情が明るくなっていたように思えた。

 

 

 

おさむ:あ!お代もらってない。。。嗚呼、憂鬱だ。

 

 

 

数日後、その男性から手紙が届いた。

***

先日は、ありがとうございました。あの後、妻と向き合って、不倫しているのではないかと私が疑っていることを告げました。すると彼女は「バッカじゃない?」と笑い、真相を話してくれました。それはなんのことはない私の勘違いでした。

彼女に向き合うことを恐れ、ずっと妄想の中で勝手に傷ついていた私は本当にバカでした。それにまだ離婚が、いえ不倫すら決まったわけではないのに、その先の心配までしてしまって勝手に疲弊していたのでした。今思うと一人芝居のようで笑えてきます。

今後は、私のやりたいことにエネルギーを注げそうです。本当にありがとうございました。

 

ps.彼女ができることを祈っています。

***

 

 

ふーん。

 

憂鬱の中にちょびっとの喜び。

 

そんないい朝にはコーヒーでも飲もう。

 

 

ああああああ!こぼれた。。。。。

 

 

 

 

 

嗚呼、誠に憂鬱だ。

 

 

 

 

 

 

おわり

 

 

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カヤノヒデアキ

 

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